おばちゃんと二人三脚

おばちゃんと二人三脚

おばちゃんとさくらが一緒に遊んだり運動したり勉強したりしてきた記録です~アルツハイマーの新しい治療法「リコード法」を始めました~

ながばなし

さくらのほうもじぶんのことでちょっといそがしくなりつつあるので、すこしおばちゃんとのじかんをへらそうとおもっています。
リコード法は生活全般にサポートがあった方がいいので、いくらでもやることがあるんだけど、ただどこかでせんびきもひつようだとおもう。
さくらじしんの人生もやっぱりきりひらいていかないとだめだし、さくらがつぶれるとおばちゃんの治療にも影響がでるかもしれない。
むしろ、さくらより義理叔父にリコード的なかんがえをもってもらわないったほうがいいかもしれない。

 

またもうちょっとしたら、さくらもよゆうができるから、そのときまでおばちゃん、まっててね。
そのときはおばちゃんに、ひさしぶりに、うちにあそびにきてもらおうかな。

 

ずっとむかしはね、おばちゃん週一回はうちにきて、まんなかの妹もうちにきて、おんなきょうだい3人で、ひるまずっとおなはししてたんだ。
さくらよく二階にいててね、みんなおおきなこえだから、へやのとびらをしめてもこえがよくひびいていた。
おひるじゅうずっと、たのしそうにはなしをしていたみたい。さくらもそのときはよくいえにいたから、そのときのことはよくおぼえていて、おばちゃんに「むかしよくうちにきてたね」ってはなしをするんだけど、そうだっけってそっけないへんじするもんだから、さくらもひどくさみしかったんだ。

それでさくらも、おばちゃんにそのときのことをまたおもいだしてほしくって、きょうだいにもまたたのしいはなしをしてもらいたくって、それでうちにきてもらおうってかんがえたんです。

 

はじめていえにあそびにきてもらったときね。タクシーをおばちゃんのところによんでおいて、さくらは自転車でおばちゃんのいえにいって、おばちゃんといっしょにタクシーにのって、いえにむかうの。
最初のタクシーの運転手はすごくやさしくて、おばちゃんのはなしをわらってきいてくれたね。おばちゃんもごきげん。おんなじ話を3回してたよ。

家に着いたら、おかあさんあわてちゃってさ。すこしでもおばちゃんのちからになろうとおもって、てをかそうとするんだけど、おかあさんもあしがわるいからみてられないの。
げんかんをあがろうとしたら、おばちゃんにさきまわりして、さきにあがってさ、いつもはてすりをもってあがるくせにそのときは、おばちゃんがさきにてすりをつかっていたからつかえなくて、それでむりにげんかんのあがりかまちをあがったもんだから、おばちゃんのめのまえにあたまからすってんころりところんじゃった。
おばちゃん、だいじょうぶ・・・って心配そうにとまどってた。さくらも、おばちゃんより、おかあさんのほうがきになって。
さいわいおおけがしなくてすんだんだけど。
まわりうろうろしても、てをかすのはさくらだけでじゅうぶんだから、さくら、おかあさんのことまでみないとなるとよけいに仕事が増えるからって、おとなしくへやでまってってなんどもいっといた。

こんなかんじで、おばちゃんを午前中によんで、さくらといっしょにいつもの勉強や運動をして、そのあいだおかあさんはおひるの用意をしてもらって。おひるになったら、みんなでごはんをたべてもらって、午後はさくらをのぞいてみんなでおしゃべり。
さくらはね、ちょっとながばなしはにがてだから、しばらくおいとまさせてもらって。

 

でもおばちゃん、むかしみたいにはなしのなかになかなかうまくはいることができなくて、ちょっとかやのそとみたいになっちゃって。まだ帰る時間になっていないのに、おばちゃん、もうかえらなきゃってなんどもいうんだって。
もっとゆっくりしてたらってみんないうんだけど。さくら、かえってみんなにさみしいおもいをさせたかなってそのときおもっちゃった。
おばちゃんよりまわりのほうがもりあがっちゃって、おばちゃんにとってはどうだったんだろう。かおをみると、それほどたのしそうというわけではなく、いたってクールな顔をしてた。おばちゃんはなぜうちにきてごはんをたべたりしてるのか、よくりかいしていないみたい。いえについてからおばちゃんにたのしかったってきいたら、たのしかったよっていってくれたけど、なんかちょっとつらかった。

 

それからも何回かうちにきてもらったんだけど、さいきんずいぶんとうちにきてもらってないです。7月になって、さくらのからだがあいたら、ひさしぶりにうちにきてもらおう。リコード法をはじめてちょうど3か月。ちょうどいいころじゃないかなと思う。すこしげんきになってたらいいけど。

できれば、ちょっとむかしのことをおもいだしながら、むかしみたいにながばなししてほしいな。