おばちゃんと二人三脚

おばちゃんと二人三脚

おばちゃんとさくらが一緒に遊んだり運動したり勉強したりしてきた記録です~アルツハイマーの新しい治療法「リコード法」を始めました~

こころ

今日、おばちゃんのところにいくと、おばちゃんがかばんから財布をだしてのぞきこんでいた。お金の管理はもうできなくなっているんだけど、ときどき財布が気になるみたい。
なにかお金を払おうとしているんで、「かばんの中にしまおうか」といって、いっしょに財布をしまったら、
「きてくれてたすかった。ありがとう」って。ほっとした顔してました。

認知症の人って、ちょっとしたことで混乱してしまって、すごく不安になるみたい。義理叔父は、こういうときにやさしくいってくれたらいいんだけど。
自分が理解できないとすぐにどなりつけるんだよね。いつまでたっても元気なころのイメージをもってるから、よけいにいらいらするんだろうけど。
認知症を発症して5年たつんだけど、やっぱり義理叔父もなかなか受け入れられていないのかなあ。

 

サプリ入りジュースはなんとかうまくにいけてるかんじで、7日連続で成功!!(はじめて)
義理叔父もがんばって飲ませてくれている(よくやってる)
もっと義理叔父をほめようとしたんだけど、からまわり・・・

この調子でお願いしますね。

 

軟便のほうもすこしはましになったみたいだけど、きょうも椅子に座ったまましちゃったみたい。こればっかりはトイレに行くタイミングがあわないとしかたがない・・・リコード法便意も回復ってなればほんとうにすごいんだけど。
とりあえずプロバイオテクスの効果がどの程度でてるか注意してみていこうとおもいます。

 

部屋の中を歩くときにおもいのほか足が出ていたので良かった。調子が悪いときは、前につんのめったかたちになって足がぜんぜんうごかなくなってしまう。そんなときのおばちゃんは、まるで、氷の上で足が左右にひろがっていくのをひっしにこらえているようにみえて、ちょっとこっけい。(おばちゃんごめん)
運動を終わるとおばちゃんは、「いろいろ教えてくれてありがとう」っていってくれた。こんなにがんばってくれて、こちらこそ「ありがとね」

 

帰り際にいつも、義理叔父がさくらにちょっとしたおやつを出してくれるんだけど、おばちゃんは「おあがり」っていってくれました。

忘れられないことがあって、おばちゃんのちょうどまんまえのテーブルにいつもおやつをおいてくれるんだけど、その日おばちゃん調子がわるくてそれを自分のおやつだとおもって、手をのばしたの。そうしたら、義理叔父が「いやしいことするな」っておばちゃんをしかった。あわてて「おばちゃんは、いやしいことしたことなんて一度もないよね」ってさくらはひっしにいった。とっさにでたことばなんだろうけれども、このことばは忘れられない・・・こころがみえないのかな、義理叔父には。

 

サプリがどれくらいとれているかも、毎週記録していこうと思います。つぎは食事か・・・どうしたものか・・・

 

 

 

 

さくらの悩み さくらの決断

リコード法にであって2か月。まず最初に苦しむのは・・・
いままでにないストレス。リコード法をやるのはとにかくしんどい。
リコード法がむずかしいという前に、リコード的生活にぶつかっているみたい。

リコード法は、食事、運動、睡眠など生活全部に変化をもとめます。

そうすると・・・

いままでとちがう生活に本人がなじめない。本人まかせにするとすすまない。いやがる本人とまずぶつかる。
さくらにように介助者に協力をお願いすると・・・
あれをしてくれ、あれはするなと要求する。介助者も不満がたまる。こんなことをする意味あるのかと逆にせめられる。不満をぶつける介助者とぶつかる。

人とのぶつかりあい
これがまずもってリコード法をするうえでおおきなストレスになってます。

でもそうだよね。サプリを1日30粒。散歩は毎日30分。夜食は食べちゃダメなどなど・・・さくらは無理です。はいちゃいます。
だからこそ、リコード法に必要なのは、頼りになるサポーターだということをつくづく思います。本人ががんばれるように、いっしょにがんばってくれる人が。

リコード法をしてよかったかの悩みもあります。リコード法ははじまったばかり、わからないことばかり。
いままでとちがうことをして大丈夫かな。もっと悪くなっちゃったらどうしよう。
なにかあったときの責任を負いきれるかなあ・・・

それに若くて進行の早い認知症の場合は、リコード法のような積極的な治療は大切だとさくらも思う。でも、80歳をすぎゆっくり進行していく認知症の場合は、いきぐるしいリコード的生活より好きなように暮らした方がいいのかなあと思ったりもします。ほんとうにリコード法をしてあげることが幸せなのかなあ・・・

 

さくらはどうしてリコード法をしようと思ったのか。おばちゃんがしたいといったわけではない。義理叔父は介護をやっているという自己愛だけで満足している。ただのさくらの独断に過ぎません。

認知症の人はこのあとどうなるんだろう。

すこしずつ自分がわからなくなって、人間らしい気持ちもなくなっていって、楽しい思い出も悲しい思い出もすべてこっちにおいていってしまって。人として崩壊していく。

お母さんはさくらに、「もう十分したから、おばちゃんのことはいいよ。わたしたち、もうおばちゃんが元気な時にさよならしたから」っていってくれた。
でもね。

さくらはおばちゃんに、元気な時に会って、大丈夫だと思って、つぎにあったら認知症になっちゃってた。
まださよならできていないんだ。

やっぱり、おばちゃんにはおばちゃんらしく生きててほしい。82歳だけど、でも平均寿命は87歳の世の中だ。
だからさくらはリコード法をすることに決断しました。

 

期待をこめて

今日は、サプリ入りのジュースを作りにおばちゃんのいえに。
おばちゃは、ちょうどトイレの中。義理叔父に聞くと、便失禁はとまったみたい。
ただ、でるものができったからとまっているだけで根本は解決はしていないのだけれど。
義理叔父は、さくらがきているものだから、おばちゃんに早くしろとせかしている。
おばちゃんは、認知症になってから、動作がなかなかはやくできない。同じことをくりかえししてしまったり、できているか何回も確認したりするのが原因なんだけど。義理叔父はそれがいらいらするみたい。
さくらが早く来てるからはやくしろ。と。
さくらは義理叔父にいままで何回も、気にしないからゆっくり自分のペースでさせたらいいよというんだけれど。
どうしても義理叔父には理解できないみたい。さくらをまたせているのを気づかっているんだろうけど・・・
義理叔父の怒る声が一番、さくらを不快にさせているんですけど。
かわいそうなのはおばちゃんで、そのあともパンツがちゃんとはけてるかとか失敗はないかとかそんなことばかり気にしている。なぜわからないんだろう、あの男は。
紋切り型の気づかいはほんとうにいらない。銀行マン時代の名残ですか。まえも同窓会の写真をみせたとき、かれはどこどこ会社の専務だったとか、こいつは出世しなかったとか、もう定年退職して20年以上たってるのに、そんなはなしをしてくる。まったく興味ないんですけど、そんなはなし。

 

今日のおばちゃんはいまいちだったなあ。「今日はどこかにでかけるの、わたし」って不安そうに何度も聞いてくる。表情でだいたい調子がわかるんです。不安そうでめばたきが多いときはきまってダメ。目に自信があらわれていて、声にも張りがある日はさくらも安心する。「今日は大丈夫だ」って。


サプリ入りのジュースについては、作ったらどうにかのんでくれるので、義理叔父もまあまあ協力してくれている。
いままでつづいても2日だったので、まずは1週間なんとか継続したい。
期待もこめて、ホスファチジルセリンとEPA/DHAを2粒に増やした。脂質系はすこし多めにしたほうがいいらしいからです。
下痢についても、プロバイオテクスをサプリに入れているので、継続して飲んでくれたら効果も期待できるかもしれない。
来週1週間うまくいったら一歩前進かな。

やっぱり軟便

今日おばちゃんの家に行くと、椅子に座りながらすこしおどおどして「べちゃべちゃなの」って。
立たせてみると、座布団がべっとりぬれている。「失禁かな?」


トイレに連れて行って、ズボンを下ろすと、パットの中にやわらかい便がべったり。足をつたって靴下まで垂れていた。
義理叔父は買い物なのかいまは不在。「義理叔父がかえってくるまでにしまつしなきゃ。」

これほどよごれてるときに遭遇したのはさくらもはじめて。まずは、パンツとズボンをぬがさなきゃ。でも、便はパットから漏れてズボンにもべったり。ビニール手袋をさがしたんだけど、どこにあるのかわからない。(ああきいときゃよかった・・・)
しかたないから、目にはいったビニール袋をつかって、なんとかパンツを処分。
おばちゃんもなんとかしようと触ろうとするんだけど。(おばちゃん、おねがいだからさわらないで)手に便がついて大変。
ズボンとパッチにもべったりついていたのでトイレの中でそれをぬがして、そのままお風呂に連れて行った。
便座まで便がべったり。(もう軟便嫌い・・・)

お風呂で便をシャワーで流そうとするんだけど股のあいだはシャワーの勢いだけではなかなかおちない。
おしりの皮がたれてるのでシャワーが奥までいかないのだ。
流せるところは流してあとはタオルでごしごししてなんとかおちた。小さなタオルで水滴を拭いてあげて(バスタオルの場所がわからないよ・・・もう)
あたらしいパンツとズボンになんとかはきかえさせ、よごれたズボンとか下着を水洗いしたところで、義理叔父が帰宅。
話によると、朝から2回、おもらしがあったので、すこし不機嫌。さくらがきたときにおもらしと遭遇してよかった。
今度またあった時のことも考えて、タオルとか必要なものの場所をひととおり確認しておいた。

おばちゃはすっきりした顔で、うんち騒動で大変だったことはすっかり忘れてご機嫌に。いつもの計算問題をしてました。

 でもね。さくらが赤ちゃんだった時、体調のすぐれないお母さんにかわって、さくらのおむつをかえてくれたんでしょ。今日はなんか不思議な感じ。

 

なにわともあれ軟便対策。サプリにはプロバイオテクスになるものをいれているけど、これだけではこころもとない。そもそも毎日飲めていないし。やっぱり食事かな。

 

今のところ、

朝:パン コーヒー 果物 ヤクルト
昼:スーパーのお惣菜 ごはん
夜:配食サービス

 そこで、

朝を、ごはん うめぼし くだもの お茶 に変更したらどうかな
昼は、あげものとか脂っこいものはなるべくさけてもらうとか。
からだのあたたまるレシピを義理叔父におしえてあげることも考えよう。

 

これが解決したら介護もずっと楽になるんだけど。

 

 

 

 

 

 

症状あれこれ

おばちゃんもね、やっぱり同じはなしをくりかえすんだ。
タクシーに乗せて、さくらの家につれてきたときは、タクシーの運転手が愛想がよくて、おばちゃんもごきげんでね。

「こどもがいたずらで友達の靴を投げて屋根の上になげてね。おこらずに、そのこの目をじっとみつめたらごめんといった」というはなしを運転手さんに何回もしていた。
運転手さん、やさしくて笑って聞いてくれてました。ありがとう。さくらもこのはなし大好きですよ。おばちゃん。


おばちゃんは計算も得意。家計簿をずっとつけていたからかな。
でもね、おばちゃん。
「おばちゃん、今日なんにち?」「えっと、4月・・・」「11日だよ」「そうだね。4たす11で・・・」
「おばちゃん、いま8時15分だよ」「そうだね。8たす15は・・・」
・・・おばちゃん、なんでもたさないで!!

 

服はとにかくかさねて着ちゃう。さくらがしってるのは、上着を5枚、ズボンの下にも3枚はいてたときもあったよ。

ぬがしてもぬがしてもでてくるから、さくら笑っちゃった。
義理叔父も外に出かけるとき以外はほったらかしだから、同じ服ばっかり着てるみたい。しまいに穴まであいちゃってね。みんな、義理叔父に、そんなもの着せるなって怒ってたよ。
おばちゃんはおしゃれだったから。みんな、さびしいみたい。知ってるおばちゃんじゃないみたいだって。


字は読むのは得意だけど、書くのはだんだんできなくなってきている感じ。書けるときと書けないときがあって、あまりかんがえない方がすっとでてくるみたい。ひねりだそうとすると逆にでてこない。

さくらのなまえをいつも手帳にかいてもらうんだけど、なかなかでてこないときはちょっとさみしくなります。すっとかいてくれたときはなんだかうれしくなります。

 

ものの名前も最近少しでにくいね。このごろ、なにをみても「トレーナー」って。

でもね、おばちゃん。
「トレーナーだね・・・」とつぶやくのは、やっぱりやめてください。

 

人の顔は分かりにくくなったね。見間違いも増えちゃった。テーブルクロスをかけ布団とまちがえて、さくらに何度も「とってくれ」って。上に花瓶がのってるから、むりだって。おばちゃん。

 

道具はちゃんとつかえてるよ。えんぴつとか消しゴムとかハサミとか。
えんぴつを返してくれるときは、芯がさくらにむかないようにきちんとひっくり返してにかえしてくれる。そういうところ、かわらないね。

 

会話はちょっと苦手かな。みんな、おばちゃんとはなしをしにきてくれるんだけど、前みたいにみんなの会話にくわわれないみたい。おなじはなしをしちゃうしね。

 

むかし、さくらにいつもいってたはなし。「映写機でとったフィルムがあるの。映写機あるから遊んでいいよ」って。
さくらはそのはなし適当に聞いてたけど、いまはもうそのはなしはしなくなった。
いっしょうけんめい映写機をおばちゃんの部屋からさがしてね。フィルムはみつからなかったけど、おばちゃんはもうおもいだせない。
もっとちゃんと聞いときゃよかった。とったフィルムを一緒に見れたのにね。
おばちゃん、いろいろおもしろいはなしをもっているはずなんだ。
たぶん、ひきだしのおくにしまいこまれているんだって、しんじているんだけど。

 

おばちゃんがいいならそれでいいよ


今日は、このまえのことを考えながら義理叔父に一つの提案をしてきた。

「やっぱり毎日ミキサー回すの大変だと思うんだ」「さくらでもやれといわれれば大変だと思う」「週1回だけしてくれない。3日はさくらがやるからさ。」
義理叔父にすこし近づいてみた。義理叔父はいがいに穏やかで、おばちゃんの朝の様子を教えてくれた。さくらが残したメモが効果があったらしく、ジュースをのむまえにメモをよませると「さくらがいうんだったらのまなきゃ」ってのんでくれたとのこと。


義理叔父もうまくいったことに気をよくしたのか、さくらの提案にのってくれた。
義理叔父にその話をしていると、「わたしもしっかり聞いとかなきゃ」と、少し身を乗り出すおばちゃん。
とりあえず、さくら3回+義理叔父1回の体制でつづけられるかやってみよう。うまくいったら、義理叔父にあと1~2回多くお願いできるかもしれない。
サプリの問題をとりあえずなんとか一段落つけたい。あせらないでいこう。

 

よくかんがえると、毎日ミキサーを回すのは面倒くさいといえばたしかにそう。それでのんでくれなかったらなおさらしんどくなる。介護にもみかえりをもとめたくなる。無償の愛ではつづかないみたい。
おもらしして、仕替えさせて洗濯して、戻ってきたらまたおもらし。だれだっていらいらする。どなりたくもなる。
義理叔父も大変だとおもう。さくらもふとよくがんばってるとおもうときもある。

 

ただね、義理叔父は若いころから好き勝手してきて、おばちゃんはずいぶん苦労した。それをみんな知ってるから、みんなが義理叔父に同情しないだけなんだ。

「これだけ迷惑かけたんだから、死ぬまで介護しろ」という人までいる。
なんでおばちゃん、この人を選んだの?おばちゃん以前いってたね。「平凡な私だからこんなひとで十分」って。
おばちゃんがいいならそれでいいよ。

おおきな壁

先週末にジュースでサプリを飲めるか試して、いざ今日いくとやっぱりのんでないらしい・・・
どっと疲れが・・・
さくらの前ではどんなものでも飲んでくれるので、そのあとほんとうに義理叔父が用意したものをのんでくれるのかが見当がつかない。
失敗のたびに1週間ずつ、治療が伸びていく。可能性が減っていく…

義理叔父は「むりに飲ませられないから」という。
だったら、回数を分けて飲ませたらという提案をしてしまうと、そこからえんえんいかに自分の介護がたいへんかの話を聞かされた。
これをいわれると、むりをいえなくなる。いやむりな話をしていないのだが、この男にはむりなのだ。

ついに義理叔父が、「おばちゃんのことばかりかんがえて、わしのしんどさをかんがえてない」と怒りだした。
あなたは、さくらのしんどさをわかってるのですかと言いたかったが、とりあえずあわててなだめた。つむじをまげられると、すべてが終わる。この男しかいないのだから。
義理叔父の、「ヘルパーに家事はさせたくないが家事をするのが大変で倒れそうだ」というこの矛盾するような話を、おだやかな顔して聞かなければいけないこのしんどさ。おばちゃんはおばちゃんで、いっしょうけんめいブラジャーの位置をなおしてるし。いつもはかわいいそのしぐさも、こんなときはのんきでいいよと思ってしまう。

 

サプリをのませるいうただそれだけのことがこんなに大変だとは思わなかった。

認知症のため、本人に「ぜったいのまなきゃ」という意識がない。「ぜったいのんでね」と頼んでも、つぎの日にはわすれてしまう。
はなれて住んだりして、たまにしか会えないときは、一番近くにいる人の協力がないととてもできない。「なんでこんなめんどくさいことをしないといけない」と言われたら、「ぜったいよくなるから」といわなければならない。「そんなものきくのか」といわれて、「そうだ」とはねのける力も必要だ。よくならないかもしれないという不安と少し見える可能性のはざまでどこまでがんばれるだろうか。しかも手探りのリコード法だ。このリコード法に効果がないと少しでも思ってしまえば、このしんどさに耐えれないかもしれない。


とりあえず、おばちゃんが見えるように机に「おじちゃんの作ったジュースを飲んでください さくらのお願い」とかいた紙を張っておいた。
もっとおいしく、もっとかんたんに。まいにちとってもあきないように。いい方法はないですか。