おばちゃんと二人三脚

おばちゃんと二人三脚

おばちゃんとさくらが一緒に遊んだり運動したり勉強したりしてきた記録です~アルツハイマーの新しい治療法「リコード法」を始めました~

食事というピース

おばちゃんに、さくらの作ったサラダをもっていきました。作ったのは、トマトとアボカドとブロッコリーのサラダです。
ドレッシングはオリーブオイルをレモンと塩コショウ、はちみつで味付けして。
まずくはないていってくれたので一安心。全部食べるとダメだからね、これくらいにしとくよって何度も残そうとしたから、残したらもったいないよっていって何とか完食してもらいました。
歯の治療中でまだ下の歯がないので、トマトの皮が少し硬かったみたいだけど、皮をむいといたらよかったね。
思えば、これまでのさくらはおばちゃんに運動と机での計算とか字を書いたりとかそんなんばっかりしてきました。
運動なんてデイサービスでどんなんかしらないけど筋トレして、さくらとさらに週2回筋トレして、それなりに頑張ったと思います。認知症に運動はいいってみんないってるし、だったら、認知症ももっとよくなったり、進行が遅くなってもいいと思うんだけど・・・
結局、標準治療通りの落ち方でした・・・


でもこれは、なるべくしてなったといえるのかもれません。
認知症治療の大きなピース。

①運動 ②食事 ③睡眠
すべてのピースが同時にすべて満たされてやっと効果が出てくるんだ。
おばちゃんの場合、いま思えば食事に最初から大きな問題があった。たぶん野菜が大きく不足していたように思う。
認知症になった場合、そうでない人よりより積極的に野菜、それも解毒作用のある野菜をとったほうがよさそうだ。


けっきょく、さくらが食事を軽視していたということにつきる。大きなピースの一つだけ埋めても、それはなにもしないのとあまり大差がないことが分かった。運動とか勉強とかそんなことしてたらなんとかなるなんて軽い考えでやってた。食事の問題も治療レベルで考えていかないといけなかったんだ。
自分の発想が、思い込みによる殻をやぶることができなかったんだね。

ブレデセンに会ったら

今日の新発見。おばちゃんの手がさくらと同じ大きさだということ。握る力がすごく強いこと。
おばちゃんはなにか伝えようとしていっしょうけんめいはなししてくれるんだけど、なにをいいたいのかよくわからない。
それがすごくさみしくて、つらい。
そういえば、最近、さくら、おばちゃんの手を握ることが増えたみたい。なんでだろう。
なんか、もうすぐ戻ってこれないところにいってしまうような気がもしかしたら、さくら、感じてるのかもしれないね。

リコード法って、やっぱり新しい治療法なんだよね。
もし、ブレデセンに会ったらなんていうんだろう。「新しい治療法をみつけてくれて、ありがとう」なんていうのかな。
でもね、「遅すぎるよ」っていっちゃいそう。これが本当の気持ち。
せめて1年、できれば2年、欲を言えば3年、早ければよかった。
去年と今年が落ち方が大きくて、一番つらいよ。

くやしいなあ。たった数年なのに。
でも、さくらがもっとがんばって、もっとおばちゃんの能力を保つことができてたら、こんなことにならなかったのだろうね。
もっと勉強して、もっといろいろためして、もっとねばりづよくやってたら・・・

いろいろあったのにね、認知症に効く食べ物とかいろいろ。
結局、さくら、がんばったつもりで、おばちゃんのために何もできなかったみたい。
いつかおばちゃんと別れるときいう言葉は、「ありがとう」と「ごめんね」しか思い浮かばないよ。

 

残酷な病気

とりあえず歯磨きの件はケアマネに話しました。ヘルパーのフォローと定期的な歯科検診があるとのことで、まあ完全ではないけど、最低限の体制はつくってくれたかんじです。義理叔父に歯を磨いてもらうことは、ヘルパーさんからうまくお願いしてもらうことに。まあだめでもしかたないなって感じで、さくらが買ったエプロンやらうがい受けを渡しておきました。
人の歯の心配なんて生まれて初めてしたよ。まあ、この問題は、とりあえずいったん解決ということで。


おばちゃんはすごくねむそうだったよ。疲れてたのかな。デイに行って。なんかさみしいね。

でも、テレビの歌番組で歌に合わせて手を叩いてた。中村美津子がでてて、着物の袖をふってたら、そのしぐさ嫌いっていってたよ。

おばちゃんが認知症になってから、さくら、昔のことを思い出すことが増えたよ。
もうあのころはかえってこないんだなって。

 

思えばこの6年、何だったんだろう。失い続けるだけの6年だったよ。

ずっとそばでみてきた。

古い記憶が、刻み込んできた人生が、その人を形作っているならば、それを失うことは、その人がその人として存在することを否定されているような気がする。

ほんと、残酷な病気だよ。まったく。

どうしてやってもらおうか

歯磨き問題を解決すべく、今日は、うがい受けと歯ブラシ、鏡をもっておばちゃんの家に。
おばちゃんの机の上に用意をして、歯ブラシを渡すと、そうそうって。歯を磨こうねっていうと、すぐに磨きだしてはくれるんだけど・・・
下の歯を磨こうとするんだけど、ないねって。手を止めちゃった。下の歯はねえ、おじちゃんが磨いてくれなかったからなくなっちゃったんだよなんて思いながら、上の歯を磨かなきゃって教えてあげた。
やっぱり、しっかり磨くように促してあげる必要があるかな。すぐ手を止めちゃう。口をくちゅくちゅしてねって。コップに入った水を渡してあげた。まえに、うがいをしてねっていったらガラガラうがいをしたので、飲み込んだらたいへんだ。
でも、なぜか口をゆすぐのすごく嫌そうな顔してた。
机に置いたうがい受けは、背中の丸くなったおばちゃんには遠いみたい。途中で、口に含んだ水をズボンの上にこぼしてしまった。やっぱ、前掛けは必要だわっておもいつつも、歯磨きも何回かやって慣れてもらう必要のあるなあって思った。
さてさて、どうしてやってもらおうか・・・

歯磨き道具一式を直接、義理叔父に渡してやってもらうか。ただ、横についてあげる必要はあるからやっぱし頼みにくい。歯まで磨かせられるんだったらもうやってられるかってどなってたから。さくらが頼もうと声かけると、声色から察してか、あきらかに義理叔父の目に警戒感がみちてくる。なにかしらの断る理由をつけてくるとやっかいだ。

ケアマネにいって協力を仰ぐ手もある。いわば丸投げ。これが一番楽だけど、うまくいくか結果は気になる。
さくらが歯を一緒に磨いてあげて、機会を見てケアマネに協力を仰ぐか。ただ、今週、歯医者に行くのでそのタイミングにこの話を持って行った方がスムーズそうな気もする。
なかなか決めきれないし、正直めんどくさくなってもきた。
帰り際、おばちゃん、ご飯食べったっけって聞いてきた。さっき食べたよっていって納得してくれるだけましだと思いながら、おばちゃんの家を後にしました。

リコード法で記憶障害が改善した方はぜひ積極的に発信してください。さくらの希望の光になります。

危惧

リコード法というのはいままでの治療法のなかでも魅力的に見える。とくに若い年代で認知症を発症した人にはなおさらである。
さくらのおばちゃんは若くないけど、それでもすごく魅力的に思えた。
テレビでも取り上げられるなど知名度も徐々に広がっているように思える。
アルハカさんがスタートアップサプリを用意してくださっているおかげで簡単に開始できるようにもなった。
ただ、さくらが危惧してきていることがあって、それは、さくら自身が4か月そのようにして行ってきたから言えるんだけど・・・


まず問題は、リコード法を始めようとしている多くの人がすでに認知症を発症しているということ。そのような状態でスタートアップのサプリではたして対処できるだろうか。さくらの場合、4か月やったけどまったくよくなっていなかった。
でもそれはリコード法が効果がないということではないとさくらもわかっている。
それはいわば、何の病気か分からないのに適当な薬を飲んでいるだけだからだ。

スタートアップサプリを飲んで、糖質制限をして、絶食するだけだったら、ただのリコード法的健康法ではないだろうか。そもそも、リコード法はその人それぞれに合わせて個別プログラムとして行うものだったはずである。
健康法が役に立つのは、まだ病気になっていない人であって、やはり病気になってしまったひとは、きちんと治療すべきであると思う。
つまり、リコード法の検査をしっかりしたうえで足りない部分を最適化するというプロセスがないとリコード法といえないのではないのだろうか。
 
さらに、医者のサポートを受けれない状態で、やる人の判断で行っているということも問題といえる。リコード法は、いわば複雑なピースを組み合わせていくような一面もある。それには、素人判断でやるのはなかなか難しく、万人ができるものではないと思う。
また認知症になっている人は、高齢者であることも多く、ほかにもいろいろな病気を持っていることも多い。そんな状態で、一律に同じやり方で成功するはずがない。リコード法をそもそもやるべきでないひともいるはずである。そんななかで、リコード法をはじめるのは、おそらくあまりいい結果が出ないのではないか。

 

これらはしかし、リコード法をしようとしているものだけの責任でもないと思う。まだリコード法を行える土壌がないのに、やりかただけを紹介されている状態だからである。
こうかくと、さくらがスタートアップサプリに否定的に思われるかもしれないが、そうではない。ある一面で、スタートアップサプリは大きな効果があったと思う。
そもそも、これがなかったら、まずもってリコード法を始めようとも思わなかったからである。リコード法の入り口としては、間口が大きく、さくらにとってもすごく入りやすかった。
ただ、リコード法の本が発売されてはや半年。状況はそれほど変わっていないように思える。どこにいったらリコード法の検査を受けることができるかの情報はほとんどない。
それでも、さくらがリコード法を始めたようなやりかたではもう駄目だと思う。
今一番大事なのは、サプリメントにどのような効果があるということを知ることではなく、どこにいったらリコード法をはじめるための適切な診断が受けれるかという情報だと思う。そして、そのための土壌を一刻も早く充実させることであると思う。
でないと、貴重な時間が失われるだけではないかと、それを一番危惧している。

 

延命?

リコード法において検査は重要だ。というのも、リコード法の要は検査項目の最適化にあり、それは検査を通してしかなしえないものだからである。
検査ができる病院のあてができたので、義理叔父(血がつながっていると思われたくないので、義理叔父と書いている)に検査につれていっていいか聞いてみた。
そしたら、なんかしら理由を付けて断られた。
あげくのはてに、延命はしたくないだそうだ。延命?延命と関係ないだろう。
癌とかの病気と認知症は違うんだ。
認知症はなにもしないほうが、かえって苦しい時間を長くしてしまう。

それにね、義理叔父。あんた、鼻血がでただけで大騒ぎして病院に飛んで行ったじゃないか。ちょっと足が腫れたら病院,手が腫れたら病院etc  
自然に任せたいんだったら病院に行くなよ。ひとりだけ行きやがって。
あげくのはてには、さくらに「自分の親をもっとみろ」だって。ちゃんとみてるよ。それにうちの親、まだ元気なんですけど。
むかつくのは、反対の理由に、さくらの親もそう思ってないはずだといってくることだ。だれに聞いたんだ。実際、あんたじゃなくさくらの意見のほうに賛成だよ。知った口叩くな。ほんと、ひきょうな男だよ。
悪口いっても解決しないのでなんとかしないと。まだ、あきらめないぞ。

歯磨き

おばちゃんの入れ歯が壊れてなおすことになったんだけど。歯を磨いているか義理叔父にきいたら、磨いてないという。
おばちゃん、立つのがたいへんになって洗面所にいけず、自分で磨けなくなっているんだ。
歯ブラシを渡して席で磨かせたらいいんじゃないのっていうと、服が水で濡れるからいやだとぬかした。
部分入れ歯だけ洗ってると。さらに歯を磨かせる手間がふえると、もうこれ以上介助やってられないと。
施設にいれるぞといういわばおどしだ。
自分で歯を磨けない人がいたら、手を添えてあげるのが人間じゃないですか。

人間の温かみじゃないですか。
認知症になったら歯を磨かなくても大丈夫なんですか。
隣に座っているおばちゃんの膝の上に手をのせたら、涙ができてた。