さくらとやらない?
2012年の冬、おばちゃんがアルツハイマーと分かって、みんな途方くれました。
「なおらないんでしょ」「いずれ何もわからなくなるのかな」
いまは、ちょっと物忘れするおばちゃん。ほかは何も変わっていない。
だからこそ、よけいに悲しかったみたい。
みんな「なんでなの」と、やりきれない気持ちをそれぞれ抱えていました。
「さくらが運動とかいっしょにやってあげるよ」
アルツハイマーは治らないけど、体はきたえたらよくなるんじゃないの。そんな軽い気持ちでした。
おばちゃんは、膝関節症と足首の骨折のため、足が変形してしまっています。
そのうえ、ひどい猫背。「おばちゃん、背骨も横に曲がってる?」
さくらが行くと聞いて、びっくりするほどよろこんでくれて、さくらもそれがなんかうれしかった。
さくらに、「来てくれてること誰にも言わないから」と指を口に立ててたのはよくわからなかったけど。
これが、さくらとおばちゃんの長いお付き合いの始まりです。