トイレ問題 (2017年)
この年からひどくなったのが、トイレ問題。
認知症は脳が委縮するため、便意・尿意がわかりにくくなってきて、判断力も落ちてきて、トイレにいくまでに、パンツの中に・・・
パンツの中に出ているのに最初はわかっているけど途中で忘れてしまい、下衣までぐちょぐちょになることも。
ほかにも、トイレに汚れたパットを流して、トイレを詰まらせることも1度や2度ではありません。
自分で何とかしようともがくんでしょうね。手がうんちでよごれて、ゆびのあとが壁について・・・
まるで、サスペンスのなかで、殺される男がもがいてのばしたゆびのおわりに、すじになった血のあとが残るのと同じように。
断末魔がきこえてきそうで、もがき苦しむようすをおもうと胸が切なくさせられます。
「昨日、ベッドをぬらしてね・・・」
義理叔父がうんざりした表情でさくらにいちいち報告してきます。さくらがおばちゃんの部屋にはいろうとすると、おばちゃんにどなっている声が聞こえてくることも。
イライラするのもわかります。大変なんでしょう。
でもね。
いちいち怒るな!
トイレ問題って、すごくセンシティブで難しい問題。おばちゃんにもずいぶんストレスになっているみたいで、これも認知症に悪いんだなあと今になっては思います。
「大丈夫かな」「大丈夫かな」ってなんどもパンツの中を覗き込むおばちゃん。
えらそうにおばちゃんをどなりつけているんじゃないだろうか。たぶんそうだ。
はらわたが煮えくり立つも、この男に頼るしかないのだ。ほんとくやしい。
とりあえず、防水シーツをプレゼントして様子を見ることに。
ケアマネとかアドバイスしてるのかな。ほんとに。
ふりかえると、この一年でがくっと落ちたような気がします。