大切な人
今日、お母さんからおばちゃんがひっくり返って救急車で運ばれたと聞かされた。
お母さんたちが、あわてていったらけろっとしてて、片肘つきながらソファーに座ってテレビをみてたらしい。
なにやらたちあがるときにたんすにあたまをぶつけてひっくりかえったみたい。
音を聞いた義理叔父はあわてて救急車を呼んだそうな。
おばちゃんはくびにおおきなカーラーみたいなのを巻いて病院からかえってきたらしいけど、へやのすみにいらんとばかりになげすててありました。
義理叔父が「くすりをまちがえてのんでふらふらしたのかなあ」といった。
お母さんたちがおばちゃんの手の届かないところに薬ケースをうつしたらどうですかといったら、それをわけもなく断固としてこばんだらしい。このへんが、このひとの常識的じゃないところというか、まあはっきりいうと、軽蔑される理由にもなっているみたい。人の意見を受け入れる度量がないのでしょう。残念ながら。
それはともかく、たいしたことにならなくてほんとうによかった(ホッ)
さくらは、食事に手をいれたいなとずっとかんがえていて、朝食のパン食を米粉パンにかえてみることからはじめようと思いました。パンを変えるだけなら、他人に生活にかかわられたくない義理叔父も説得しやすいでしょうし。
とりあえず、米粉パンネット注文してみます。
今月初めにリコード仲間に会う機会があって、ひさしぶりにあついひとたちのなかに入りました。認知症っていうほんとうにたいへんな病気とむきあいながら、なんとかしてこのかべをのりこえようとしている。
そのおもいのあつさとパワーにちょっとこちらもあつくなってしまいました。
こころない言葉をいう医者とぶつかったり、一緒に生活を変えたり、病院を探したり、家族を説得したり・・・
くやしい気持ちをかかえながら、それでもみんな前を向いてがんばっていました。大切な人のために・・・
むかしね、おばちゃんが元気な時にね、押し入れの中からなかみのはいっていない瓶をみせてくれて、
それはさくらが高校の修学旅行かなんかでおみやげとしてかってきた紅茶の瓶だったと思うんだけど、
「からになってもまだ香りがかげるから」って大事にしまっておいてくれたの。
おばちゃんはそのときたまたまそういっただけかもしれなかったとおもうんだけど、なぜかさくらは感動しちゃった。べつにたいしたことではないんだけど、さくらのこころが動かされたみたい。ほんのささいなことなんだけど、さくらはふと思い出すんです。
さくらが、おばちゃんのことで思い通りにいかずに苦しくてもういやになってなげだしてしまいたいときに。
このひとのためになんとかしてあげたい。
リコード仲間もさくらも、そんな大切な人のために毎日がんばっています。