おばちゃんと二人三脚

おばちゃんと二人三脚

おばちゃんとさくらが一緒に遊んだり運動したり勉強したりしてきた記録です~アルツハイマーの新しい治療法「リコード法」を始めました~

しかってね

このまえのリコード法の放送でもすすめてたよね。筋トレ。
おばちゃんとの筋トレはリコード法を知るずっと前からしています。
そもそも、最初は、認知症はしかたないから、せめてからだはうごけるようにしとこうというところからスタートしたのです。
だから正直、有酸素運動認知症にいいとかはあとづけて、もうちょっとしっかりあるけるようになろうよというのがはじまりだったんです。

おばちゃんの筋トレはだいたいベッドによこになってやるんだけど・・・
腹筋運動をしてもらっているとき、ばったんばったん聞こえるので、さくらがふとみると、おばちゃん体を起こそうとしながら、いっしょうけんめいおしりもあげようとしているの。おしりをあげる運動がべつにあるんだけど、それをくっつけちゃったみたい。

とうぜん、おばちゃんがどんだけがんばってもからだはうごきません。

ほかに、あしにおもりをつけてあげてもらうと、両あし同時にあげてV字に・・・

おばちゃん、ふつうにすごいんだけど。でもね。どうしてこれだけできて満足に歩けないの。
いつも筋トレの時、おばちゃんに回数を声にだしてかぞえてもらってるんです。あたまもいっしょにつかってもらおうとおもって。たまにむずかしくして、ぎゃくにかぞえてもらうと、しらないうちにふえてなかなかおわらないの。

ときどき、「おばちゃん、それちがうよ」っておしえてあげるんだけど、そういうときまって、おばちゃんいうんです。「できてなかったらしかってね」って。
そんなとき、さくら、おもうんです。こんなにがんばってるのに、どうして認知症ってとまってくれないんだろうって・・・

 

5年頑張って分かったこと。
勉強をしてもだめ。運動をしてもだめ。両方やってもやっぱり駄目。
けっきょく、認知症はとめられない。くやしいけど、はっきりわかった。


さくらがおばちゃんといっしょにはじめたときは、もうけっこう記憶障害がめだっていてね。
たぶん、まえからおかしいところいっぱいあったとおもうんだけど、まわりがきづけなかった。まさか、おばちゃんがってみんないってた。いままでちかくのひとで認知症の人もいなかったし、とおくのはなしだとおもっていたんです。

もっとはやくきづいてあげられたらよかったなって、みんなそのときおもったんだけど。でもね、わかったとして、なにをしてあげれたんだろう。

医者に行って、認知症と分かって、そのあと、これをすればだいじょうぶってものがないんだもの。
いまもおばちゃん、年に一回病院の診断を受けに行っているんだけど、もらってきた紙をみると、MMSEとかの点数の横に認知症の程度と、「有酸素運動をしましょう」とひとことあるだけ。これが最初に診断を受けてからずっとつづいているんです。ふつうのひとなら、ぜつぼうするよね。もうなにもできないんだって。

さくら、まえからいいたかったんだけど。医者もね、すこしはもうしわけなさそうなかおをしたらっておもうんです。なおらないのをとうぜんというかおしてさ、しれっと「認知症ですね。くすりだしときますね」だって。らくなもんだね。どんだけおばちゃんががんばってるとおもってるんだろ。おまえらががんばれよって。ほんと。病気なおすのが仕事じゃないの。

 

ときどきやりばのないきもちになるんです。だれもせめれないからこそ。


しかし、なんでおばちゃんが認知症になって、義理叔父がならないんだろう。義理叔父がおばちゃんよりすぐれているところなんて、元気な足とへらず口ぐらいなのに。